セイナンヒラゴケ Neckeropsis calcicola Nog.
         イヌマゴケ目、ヒラゴケ科(Neckeraceae)

 

 日本のセイナン(西南)に多い、ヒラ(平)たくなるコケの意。
 日本の西南部で、主に、石灰岩地に生育する。中国からも報告がある。
 本種は、当初、東南アジア熱帯に広く分布するN. lepineanaと同種と考えられていたが、その後、羅生門(岡山県新見市)で見出された本種の胞子体がN. lepineanaのものとは異なっていたために別種とされた。
 近縁のものとして、N. obtusata(トサヒラゴケ)がある。こちらは非石灰岩地に生育するようだ。もし胞子体が付いていれば抱葉内に隠れている。胞子体がない場合には、セイナンヒラゴケと区別するのが難しい。

2001/10/07 広島県下帝釈峡。石灰岩渓谷の谷底の岩壁基部で、岩壁や岩壁上のブッシュなどから垂れ下がる。